形がないのに差別化を図るって...?

先日、ケアマネ営業の研修をしていた時のことです。

受講されていた施設の管理者の方から質問をいただきました。

「営業の経験はありますが、介護サービスって形がないのに差別化を図ると言われても...

 何か良い方法はありますか?」



これ、ごもっともな意見です。

営業の業界でも、有形商材よりも無形商材の方が難しいと言われています。

自分も事務機の営業から保険の営業に転身をした際に、無形商材の難しさを体感しました。



が... 営業相手であるケアマネさんは、それぞれの事業所の介護サービスや特徴など、営業されている本人よりも、さらにご存知ないと思いませんか?

これでは、競争が厳しい状況でケアマネさんから紹介をいただくのが難しいと思います。




介護保険という制度ビジネスの元でやっているので、普通に考えれば差別化は図りずらいのですが...

営業戦術(営業方法)のみで、差別化を図れる方法をご紹介します。



よくある話しですが、「商品が悪いから売れない」と、売れない理由を営業の部分以外のせいにしてしまうと、商品や環境を変える必要性があるので、解決するまでに時間がかかってしまいます。


営業に関しては、短期間で成果を出さなくてはいけません...

現場での営業方法を戦術的に見直した方が、ある一定の基準までは一番成果が出やすいです。


理由は自分でコントロールができる営業戦術(営業方法)に絞って解決策を考えた方が、短期間で結果が出るので、トライ&エラーを何回も繰り返せます。いわゆる、PDCAサイクルといわれるものです。

営業が得意という事業所さんは少ないです。当然ですが...

時間がかかる商品力を磨くよりも、短期間で結果に結び付く"営業力"を磨いた方が成果に繋がりやすいと思います。



営業に関しては苦手意識を持たれている方が非常に多いですが...

自分がこれからご紹介する方法は、誰でもできる簡単な方法です。

しかも、明日からすぐに取り組んでいただけるシンプルなものです。



その方法は...

「ケアマネさん向けの営業ツール」を作ってください。


事業所のパンフレットは、利用者様向けに作っていると思います。

それとは別に、「ケアマネさん向けの営業ツール」を作っていただきたいのです。

最初はA4用紙の片面一枚のチラシでも構いません。

利用者様向けのパンフレットをケアマネさんにもお渡ししているかと思いますが、それとは別でケアマネさん向けの専用のチラシを渡していただきたいのです。


これをやっている事業所様は少ないです。

実際にやっていらっしゃるところは、専用のクリアーフォルダーに資料を入れてお渡ししているところもあります。

当然そこまでやっている事業所様は稼働率が8〜9割は当たり前という状況です。



そのケアマネ向けの営業ツールの中身についてですが、ただ、作れば良いというものではありません。

そこに取り入れて欲しいものがあります。

「物語」です。


改善事例や利用者様の声を「物語」にして、ケアマネさんに語って欲しいのです。

物語(ストーリー)で語るのは営業やプレゼンの本でも、繰り返しとても有効だと言われています。



代表的な本を一冊ご紹介します。

アネット・シモンズ「感動を売りなさい」

ストーリーの形でメッセージを伝えられると、人は自分が人間としてみなされていること、生身の人間としての自分に情報が伝えられていること、自分が孤独ではないことを感じるのです。


下記のようにも言われています。

「物語」は人の心を掴む。
交渉、プレゼン、営業、コーチング、リーダーシップ… すべての現場で活かせる究極の実践術は、「物語」である。




人は「物語」を語られると深く印象に残ります。
自分事として捉えてくれるのです。



ケアマネ営業の場合は、事例のエピソードと言った方が良いでしょうか?

改善事例や困難事例の対応、利用者様の声にまつわるエピソードをきちんと資料にして、ケアマネさんに渡して欲しいのです。

渡す際に話せる機会があれば、「物語」として語って欲しいのです。


"ケアマネ向けの資料に物語を盛り込む"
これだけで、他の事業所とは差別化を図れるます。

営業のご相談にのっていてよく言われるのが、「ケアマネさんがプランを組む時に、うちの事業所が印象に浮かんでもらえるようにしたい」と。

それが、資料を作って渡すことで、今よりも効果的になるのです。

また、「物語」化されることで、事業所というかそのエピソードとしての独自性が生まれます。この様な効果もあるので、特別な事例でなくても他の事業所との差別化が図れるのです。



じゃあ、どういった事例を取り上げれば良いのか...?

当然ですが、"ケアマネニーズに沿った"事例を取り上げて欲しいのです。

ケアマネニーズを聞いてない、若しくは聞き出せないという方もいらっしゃいますが...

相手のメリットが何か分からない状態では、成果に結びつきません。

(機会があれば、ヒアリングについても取り上げます。)



先日お話を伺ったケアマネさんのニーズは、「現場サイドの決断が早いこと」でした。

重度の利用者様の件を相談したところ、他の事業所は持ち帰っての判断だったのに、そこの事業所は営業に来られた担当の方ベースで「対応できます」と言われたそうでうす。

このケースは、法人としての理念が浸透している証拠です。

稲盛和夫さんが推奨している"アメーバ経営"の事例でもあります。

話は逸れますが、"理念経営"大事ですね...




長くなってしまったので、まとめます。

今回のポイントは3つです。

ケアマネ向けの営業ツールを作る
営業ツールに「物語」を盛り込む
ケアマネニーズに沿った「物語」にする



今回ご紹介している方法は、既存のサービス内容を変更する必要もないので、即実践していただけます。ケアマネ営業において、他の事業所との差別化に悩まれている方は、ぜひ参考にしてください。

もし、詳細を聞きたいやご質問などあれば、気軽にご連絡をください。

今回も最後までお読み頂きありがとうございます。

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