営業戦略やマーケティングって... 実際のところどうなの?
以前にも書きましたが、特に介護事業所様から営業戦略や戦術面、保険外サービスをどうするかといったご相談が最近多いです。
もちろん、事業所様の経費の削減も合わせてご相談を頂くケースがほとんどですが...
特に営利法人様の場合、事業を存続させることが第一優先なので、収益を確保する為にも、資金の入(売上)と出(経費)を管理するのは当然です。
あの稲盛和夫さんも、「売上を最大にし、経費を最小にする」ことが経営の原点であると仰っています。
昨年の介護保険の減収で、どこの事業所様も危機感を持っていらっしゃるのではと感じます。
今週は、介護事業所向けの経営や営業のセミナーに、いくつか参加して勉強してきました。
そこで感じたこともあったので、事業所様の営業戦略やマーケティングについての情報をお伝えしようと思います。
介護保険の次の改訂は2年後の2018年ですが、そこに向けて事業所としての戦略は既に準備されていますか?
去年4月の改訂から、介護業界は著しく変化していると言えるでしょう。
今までは、待ってさえいれば、利用者様をケアマネさんから紹介してもらえていたと思います。それがここ最近は、思うように紹介をもらえなくなってきている状況が増えてきているとお聞きします。
実際にここ数年、事業所数が増えています。
地域密着営業がモットーなので仙台市の資料を引用します。
「最も強い者が生き残るのではなく、
最も賢い者が残るのでもない。
唯一生き残るのは変化する者である。」
進化論の著者、ダーウィンの言葉です。
セミナーの講師の方々のお話をお聞きすると、今まさに変化の時なのだと...
次回の改訂も現状維持ではなく、また減収になるでしょう。
且つ、この4月からの総合事業のように、介護保険の対象が狭められてくると思われます。
次の改訂まで残り2年しかありません...
事業所として生き残るための選択肢は限られます。
中重度の方にも対応できる事業所にするか?
本格的に保険外サービスを事業化するか?
中重度対応は、スタッフさんのスキルにも関わってきます。
慢性的な人材不足の介護業界で、スタッフさんのスキルに依存する戦略を取るのは、法人としてそれ相応のマネジメント力が問われると思います。
保険外サービスの選択肢ですが...
特に介護業界の生え抜きでやっていらっしゃる事業所様は、非常に苦手意識を持たれています。
高齢者の方から何かしらのお金を頂くのは忍びないという、業界特有の意識が働くようです。
苦手な理由としてもう一個あるのが、介護保険以外のところからキャッシュポイントを生み出すという発想になかなか切り替えられない事業所様が多いように見受けられます。
私からすると、介護や福祉の業界こそ非常にクリエイティブな業界だと思って携わらさせてもらっています。
伸び代があって社会性も高いので、この業界で保険外サービスをゼロから立ち上げることに、とてもやりがいを持って取り組まさせてもらっています。
では、保険外サービスへの苦手意識を取り払っていただくために、参考になる話を2つご紹介します。
まずは、キャッシュポイント(ビジネスモデル)を組み立てるコツをご紹介します。
経営学の祖と言われるP.ドラッカーです。経営や会社のあり方について、いろいろな著書の中で定義づけをしてくれています。
そのドラッカーの言葉です。
「企業の目的は顧客の創造である」
このことについては分かり易い記事があるので、そちらをご覧ください。
下記は、彼の著書「マネジメント 基本と原則」の一節です。
企業の目的の定義は一つしかない。それは、顧客を創造することである。(中略)企業は、すでに欲求が感じられているところへ、その欲求を満足させる手段を提供する。(中略)それは有効需要に変えられるまでは潜在的な欲求であるにすぎない。有効需要に変えられて、初めて顧客と市場が誕生する。
前者は「マーケティング」、後者は「イノベーション」と置き換えれば分かり易いと思います。
「イノベーション」については以前のブログにも書いたので、よかったら参考にしてください。
保険外サービスというよりも制度ビジネスの範囲外で、ビジネスモデルを組み立てるコツは、2つです。
マーケティング=困りごとを解決する
イノベーション=成功事例を真似する
続いては、「高齢者の方からお金をいただくのが忍びない」という意識の払拭です。
そもそも論で...
自分がお薦めしているものに自信がないのでしょうか?
相手の為になるもの(困りごとを解決する)だから取り扱うのですよね?
それに躊躇するということは、自分のお薦めしているものに自信が持てていないという証拠です。自分の薦めているものが、その相手の困りごとを解決できるか確証が得られていないのだと思います。
本当に相手の困りごとを解決できるものであれば、"熱心"にお薦めするはずです。
例えば、あなたが「傘」を売っていたとします。
雨が降っているのに「傘」を持っていない人がいたら傘を薦めますよね?
もし、その相手が「傘という濡れないで済むモノがあることを知らない」で拒んだら、
"熱心"に薦めると思います。
この考えを実践して、世の中の為に活躍された人たちがいます。
"近江商人"です。
「売り手よし 買い手よし 世間よし」
の三方良しの考え方で、全国を行商されていました。
松下幸之助さんも商売戦術30か条に引用されている考え方です。
その近江商人が作った商売十訓の中のフレーズです。
良きものを売るは善なり、良き品を広告して多く売ることはさらに善なり
良いものであれば、ぜひ自信を持ってお薦めしていただきたいです。
近江商人の商売十訓は、ビジネスモデルを構築する上でもとても参考になります。
他業界ですがITを活用した成功事例をご紹介します。
保険外サービスというか、新たにキャッシュポイントを作るヒントです。
老舗の旅館が、顧客台帳をiPadを使ってペーパーレス化させたことで、売上をV字回復させました。そのノウハウを同業の旅館に横展開させることで、IT会社としてのビジネスモデルを構築したという事例です。
動画があるので、そちらをご覧ください。(前半の陣屋の代表が話されている部分です。)
現在はクラウドが発達しているので、開発費をそれほどかけずに、自社のノウハウをクラウドに乗せて横展開させるという仕組みも構築できます。
こういった事例も、保険外サービスになりますよね?しかも、従来のBtoCではなく、BtoBになるので顧客単価が格段に上がります。
実際に自分もSalesforceではありませんが、ケアマネ営業用のシステムの構築に携わっています。
今回も最後までお読みいただいてありがとうございます。
陣屋さんのようなITを掛け合わせたようなものから、介護福祉業界に参入したいという他業界の企業様とのジョイントベンチャー(ビジネスマッチング)なども、自分の方で微力ながらご支援をさせていただいております。
興味がある事業所様は、ぜひご連絡ください。
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